3つのエネルギー代謝 [ 基礎代謝| 活動代謝食事誘発性熱産生代謝 ]

 基礎代謝は運動など含めた体の全消費エネルギーのうち約70%を消費する最大のエネルギーの消費屋さんで、脳や心臓、消化器系や呼吸器系などの生命維持のために必要なエネルギー消費です。 一般成の女性で1日あたり約1,200kcal、男性では約1,500kcalが消費されるといわれています。

 基礎代謝の大まかな内訳です。

肝臓27%
脳19%
筋肉18%
腎臓10%
心臓7%
その他19%

* 「エネルギー・蛋白質の必要量 FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告」より

 基礎代謝は成人あたりを境に年齢とともに減少し、特に30代以降は減少が顕著になって中年太りの大きな要因になるといわれています。

基礎代謝アップでダイエット?

 実際に基礎代謝を測定してみると、筋肉ムキムキの方よりも、ちょっと太目の方の方が基礎代謝が高いのをご存じでしたか?

 実際に測定してみると、基礎代謝は年齢・性別が同じであれば体の表面積にほぼ比例するのです。体表面積は測定が難しいため、近似値として体重別の基準値が広く用いられています。

 そう、太っている人の方が基礎代謝が高いのです。生命を維持すべき体の量が多いという意味でしょう。

 基礎代謝の内訳をみると、一番多いのは内臓、次は脳、筋肉は3番目でエネルギー消費の割合は基礎代謝全体の18%程度といわれています。 「筋肉を鍛えると基礎代謝がアップ」とよく耳にしますが、筋肉を鍛えても基礎代謝量が世に言われているほど増えるわけではなさそうです。

 仮に体を鍛えて筋肉が10%増えたと仮定して、単純な計算ですが、基礎代謝の増加はわずか1.3%程という結果になります。

 カロリー消費の増加 = 10%(*1) × 0.7(*2) × 0.18(*3) = 1.3%

(*1) 筋肉を鍛えて増えた基礎代謝量の割合
(*2) 基礎代謝の消費カロリーが、体全体の消費カロリーに占める割合(約70%)
(*3) 筋肉の消費カロリーが、基礎代謝で消費するカロリーに占める割合(約18%)

 ただ、筋肉が多い体質の方が基礎代謝の効率がよく、太りにくい傾向にあるのは間違いないと思います。 積極的に運動して健康維持を心がけるのは、とても大切なことだと思います。 一方で、基礎代謝が概ね体重に比例するということも、知っておくべきかと思います。